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株式こうみる：ロシアの一手で見えてきた落とし所、ＶＩＸ40超は「買い」に＝りそなＡＭ 黒瀬氏
(出典：2022年2月22日 Reuters）
金融市場には、恐怖指数（VIX指数）という金融商品があり、株価や債券が暴落すると急激に暴騰する性質を持っています。
もし、世界中の投資銀行や個人投資家が第三次世界大戦を意識した場合、現在20前後のVIX指数は2008年9月のリーマンショックや2020年3月のコロナショックのように、70を超えてくるのは間違いありません。
ところが、2022年2月のロシア・ウクライナ戦争や今回のイスラエル・ハマス戦争が起きても、VIX指数は上がっていません。ニュースが報じられてすぐに急騰しますが、その後はゆっくりと下落するのが特徴です。
つまり、世界中の投資家たちは冷静さを取り戻すのが早く、今回も第三次世界大戦にまで発展することはない、と考えているようです。問題は、主要メディアが戦争について必要以上に煽るケースが多いことです。
「噂で買って、ニュースで売る」のがプロの投資家ですが、今回も金融市場は開戦に反応しませんでした。ただし、「有事の金」と呼ばれるゴールドは下落トレンドから一転、市場が明けた月曜日から上昇に転じています。
しかし、ロシアがウクライナに侵攻した時ほどの上昇スピードは感じられず、いつまた急落するかわからない状態です。また、ロッキード・マーティンやボーイングなどのいわゆる「軍事株」もそこまで上昇しておらず、日本の三菱重工などの株価も上昇幅は限定的です。
米株の大幅下落避けられる、米国債利回り５％超えなければ－ＢｏｆＡ
(出典：2023年10月13日 Bloomberg）
誰も予想していなかったイスラエルへの奇襲攻撃ですが、どう考えても世界の金融市場は不安定な状態が続いています。アメリカの大手銀行バンク・オブ・アメリカのストラテジストは、「米国債（10年もの）の金利が5％を超えなければ、株価暴落は避けられる…」と発言しています。
逆に言えば、5％を超えれば株価は暴落するということです。11月のFOMCでFRBが政策金利を上げるかどうかはまだわかりませんが、アメリカでは再びインフレになりつつあります。また、ウクライナとイスラエルという二正面での戦争で、いよいよ金融危機が始まる予感がしてきました。
NY原油先物価格一時1バレル＝87ドル台に中東情勢への懸念で
(出典：2023年10月14日 NHK NEWS WEB）
原油の先物価格は、イスラエル軍がガザ地区に侵攻する懸念から、再び1バレル＝87ドル台まで上昇しています。北海道では、これから冬に向けて大量の灯油やガスが必要になります。今のうちにエネルギーを備蓄しておくことで、価格高騰や在庫不足から逃れることもできます。
いずれにしても、2020年以来の世界的な危機が起きようとしているのは明らかです。先が読みにくい状況にありますが、ある程度の保険をかけておくことで安心感を得ることができます。日本から遠く離れた中東での戦争であっても、決して無関係ではないわけです。
アメリカは、2隻の巨大空母を地中海に派遣しましたが、ウクライナ戦争で兵士を派兵しなかったようにイスラエル戦争にも派兵することはないと思います。要するに、アメリカはイスラエルと一緒に戦うわけではないということです。
ロシアとウクライナの軍事力が段違いであったのと同様、イスラエルとハマスの軍事力も月とスッポンです。圧倒的な軍事力の差がありますが、もしレバノンから武装組織のヒズボラが参戦し、アフガニスタンからタリバンなどが参戦した場合、イスラエルは苦戦することになります。
エゼキエル書 38章
(出典：Word project）
最終的にはイランとの全面戦争になるかもしれませんが、そうなれば旧約聖書で描写されていることが起きます。いわゆる「エゼキエル戦争」と呼ばれていますが、エゼキエル書38章13節に出てくる「シバ、デダン、タルシシ」は古代エジプトやサウジアラビアにあります。
もし、エジプトやサウジアラビアも戦争に巻き込まれることになれば「世界最終戦争」に発展し、文字通り「第三次世界大戦」とも言えます。しかし、グローバル化した国際社会から厳しい目で見られていることはどの国も把握しているはずです。
イスラエルが圧倒的に勝利するはずの今回のハマス・イスラエル戦争ですが、どこかで大どんでん返しが起きる可能性があります。聖書によれば、大患難時代は前半3年半、後半3年半の計7年に及ぶと書かれており、今は序盤に過ぎないように思います。
ただし、日本の場合は2025年春頃の危機的なイベントに備え、少なくとも食糧とエネルギーを「ローリングストック」で備蓄することをお勧めしていきます。
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2023年10月14日
