「実体経済」と「金融経済」の関係 景気が悪くなれば株式が買われる 株式よりも金(ゴールド)④ 「割安の時に買って、割高の時に売る」
(出典:2023年1月21日 Atlasマンツーマン英会話)
1月21日のコラムで、「割安の時に買って、割高の時に売る」という単純な話をしましたが、実はこの単純なことが普通の日本人にはできないようです。例えば、株式に投資している人は価格が暴落すると眠れなくなるほど恐怖心でいっぱいになるからです。
また、2020年のように誰も商品やサービスを購入しなくなって、売り上げが急激に落ちると頭がパニックになり、動けなくなる会社経営者もいます。これまでとは異なる状況に追い込まれた時、経験や知識が足りない人は政府や自治体、銀行などに助けを求める傾向があります。
2020年にコロナ騒ぎを起こされた時も、日本人のほぼ全員がマスクをするようになり、マスクを着用していない人と話をする時も顔を背けていました。北海道知事が、都道府県で一番最初に緊急事態宣言を発令する前日に私は韓国から帰国していました。
私が韓国に滞在していたことを知っている人たちは、テレビや新聞報道から得体の知れないウイルスに感染していると思い込み、自分だけが助かろうとした行動を取ったことを今でもはっきりと覚えています。
私以外でも、仲間や友達と思っていた人たちに裏切られたような気持ちになり、人間の残酷な感情を見抜いた人もいたと思います。人間にとっての恐怖とは、状況がさらに悪化すると考える瞬間です。
「自分は不幸」と思う日本人がやたら多い不思議
(出典:2020年6月9日 東洋経済ONLINE)
自分の健康が損なわれたり、恋人に捨てられたり、資産を大きく減らしたり、資金繰りが頓挫したり、リストラされて住宅ローンが支払えなくなったりと、人それぞれですが、未来が読めない以上はどうしても最悪のことを考えてしまうわけです。
コロナ騒ぎ以降、会社を辞めて株式や仮想通貨の勉強をしながら投資をする人が増えましたが、日経平均株価やビットコインは何度も暴落を繰り返しています。大底だと思って購入した瞬間に、価格が下がっていくのは辛いものがあります。
昨年の9月頃、国内外のエコノミストや経済評論家などが、「2023年後半に金融危機が起きる…」と語っていましたが、その根拠は景気後退に突入するから、というものです。過去のデータを見ても、1929年のウォール街大暴落が起きた3年後の1932年が米国株の大底でした。
2023年は「4つの理由」で株の大暴落となりそう規模はリーマン・ショック後の金融危機以上
(出典:2023年1月7日 Yahooニュース)
一方、日本の景気後退はバブル崩壊が始まった1991年とサブプライム住宅ローン危機の2007年とされており、2002年と2009年が日本株の大底でした。日本の景気後退は16年周期で起きており、2007年から16年目が今年2023年です。
当然、必ずしも過去のサイクル通りに物事が動くわけではありませんが、2023年後半は会社経営者や投資家にとってこれまで経験したことのない恐怖を感じる出来事に遭遇するかもしれません。
重要なことは、「持ち上げておいて梯子を外す」のが得意なマスメディアが、株価や金価格が高騰していることを大げさに報道しているタイミングです。しかし、どれだけの人が先行きが不透明であることを感じるでしょうか?
金価格、過去最高値を更新 9カ月ぶり、円安要因
(出典:2023年1月25日 産経新聞)
「過去最高値」と報道されることで、多くの人たちが参加し始めたらその相場は間違いなく終わります。2008年9月15日に金融危機が起きると感じた人は、大暴落を仕掛けたゴールドマンサックス銀行の幹部などインサイダー以外はほぼいませんでした。
そして、彼らは2009年に大底と判断して大量の株式を購入したわけです。また、23年前の2000年は金価格(1グラム=1000円台)が大底でしたが、大量に購入して9倍まで増やして売却して大儲けした投資家もいるようです。
要するに、ほとんどの人間は大暴落を自分の目で確認すると、大底であると判断できなくなって動けなくなるということです。コロナ騒ぎを起こされて、怖くなって危険なワクチンを接種した日本人は8割もいるということで、「割安の時に買って、割高の時に売る」という判断はそう簡単にはできないと思います。
語学力や情報リテラシー力を身に付けていないだけでなく、恐怖心を克服できる日本人というのはとても少ないのが現状です。しかし、政府や自治体、銀行などに頼らない「リバタリアン」は、数字やデータに縛られないのでプロにも勝つことができるはずです。
ところが、リバタリアンたちは自分たちの本当の強みを知らないようです。結局、これからの人生をどうするかは本人のライフスタイルやライフステージによって事情が大きく異なるので、決して一般論では語れないのも事実です。
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