清純さとキュートな魅力を同時に持つ俳優
丸顔に明るくはっきりした目のイ・ダヘは、2001年の春香選抜大会で入賞して芸能界入りを果たした。彼女の顔をよくよく見ていると、なぜ彼女が春香に選ばれたのか分かるだろう。伝統的な韓国の美しさを持った彼女の顔の輪郭は、清楚さと清潔さが現われ、おとなしい姿勢はまるで春香の生まれ変わりのように感じられる。だからといって多くの女性芸能人のようにふらふらしていると言うのではない。彼女がかもし出す華やかな微笑は、特有の健康的な美しさが感じられる。

中堅俳優では、チェランからユン・ソナまで皆ミス春香出身で、現在は傑出したスターになっているが、イ・ダヘも今その道を忠実に歩んでいる。年もまだ若く経験もあまりないので、誰よりも演技に相当の苦労があったらしいが、イ・ダヘは涙を流す演技の真髄を見せ、メロドラマのヒロインとしての座を固めつつある。彼女の清純な魅力と大きな目から落ちるとめどない涙は、悲しみを真摯に表現する雰囲気がある。彼女をポピュラーにした作品『花王の仙女様』で、チョウォン(運命という束縛から、若くしてムーダンにならなければならなかった主人公)役は、そのような雰囲気の彼女を際立たせた。
『花王の仙女様』の好演に続いてドラマ『グリーンローズ』では，さらに上達した演技力で視聴者から好評を得た。“純粋なシンデレラ”イ・ダヘは、険しい勢いで成長したが、また大物俳優になれる可能性も確認させてくれた。

悲しい演技が素晴らしかったイ・ダヘ。だから年齢よりもだいぶ大人びて見える。このようなファンの思いを覆したいのだろうか？2006年イ・ダヘは、まったく演じきれないような、かわいくて溌剌としたプリティーな詐欺師へと演技変身を試みた。180度違うイ・ダヘを見た視聴者の反応は熱く、今までのイ・ダヘに間違いないか？と聞くほど、人々は目を疑った。今まで清純美を標榜してきた彼女のマスクが、完璧に違って見える瞬間であったのだ。
ドラマ『マイガール』のチュ・ユリン役は、イ・ダヘが今までコメディー演技をしたくてどうやって耐えてきたのか…と思えるほど視聴者の目と耳を楽しませている。

今やもう、彼女の清純可憐なレッテルは外れるだろう。イ・ダヘという俳優の演技の幅を、両目でトクと確認したのだから。ドラマでは華麗な衣装やヘアースタイルで外見を飾り立てないで、あるがままの姿＆演技を見せてくれる彼女は、画面に溢れ出る一貫した演技者たちに厳しい忠告を与えているのではないだろうか？時代劇も現代劇も全て似合う彼女。これからまたどのような演技に挑戦し、どのような世間の評価を受けるのか心から期待している。