中学2年生の時から演技に対する熱望を育てて来たというジェヒは、高校の時からエキストラの生活を始めた。1997年の公開オーディションを通じてMBC特集ドラマ<山>にカム・ウソンの子役として出演しながら本格的な演技者生活をした彼は、主に溌剌としながらも反抗的な新世代役を引き受けた。しかしきれいな外貌のように、きれいな役ばかりしてきたのではない。
SBS『私の心を奪って見て』ではどもりとして、映画『浜辺に行く』では殺人魔として登場した。自らも薬物中毒者、キラー、胸の痛む愛をつむぐ男など非正常的なキャラクターに魅力を感じるというジェヒ。そんな彼が2年という空白期を持った。
"若い時から演技だけしてきたからか、考えの幅がとても狭いのではないかと言う悟りにふとはまるんです。大学も休学して、2年間に人にもたくさん会って、彼らがしてくれる忠告も心に刻みました。自分自身を振り返る冥想の時間もたくさん持ちました。"
スポーツジムに通いながら体を鍛えたことも、この期間に成した成果だ。そして“イ・ヒョンギュン”という名前から新しい名前 “ジェヒ”という名の演技者として成長したこともこの2年という空白の間に得た大きな成果だった。
その後オーディションを色々受けながら"演技がたくさん増えた"と言う賛辞を受け、2004年キム・ギドク監督の映画“空き家”にキャスティングされて、せりふが一言もなく、眼光だけで怒りや愛等すべての感情を立派に消化して大きく注目された。泥の中から真珠を見付けた時の喜びのように、“ジェヒ”という俳優は忠武路が見付けた真珠だ。まだ若いにもかかわらず忠武路が認める俳優に生まれ変わった。演技の“味”が分かるようになり、一層成熟した姿を見せる。そして恐るべき集中力で自分の演技の質を高め続ける。
このような理由からさまざまなジャンルにチャレンジし次々と新しい姿を見せてくれる彼に常に期待してしまう。ジェヒはロマンチックコメディーの色が濃い『快傑春香』、2006年1月公開された『ケンカの技術』ではコミカルな演技を見せてくれている。起伏の激しい演技をジェヒはなんなくこなし自分の演技力を立証している。
これからどんな演技を見せてくれるのか期待される俳優であるが、ジェヒはシナリオを書くという意欲も持っている。演技だけではなく演技を演じる者を一歩下がって客観的にみるという次元を忘れないようにしたいと宣言した。そして必要だと感じれば空白期間をおくことも念頭にある。演技をしている時期にしばらく時間が必要だと感じた前回の空白の時のように。改めて心得を整えることができる良い時期でありその効果も十分にあった。
そのため今後も必要だったらためらわず時間をおく考えである。しかしすぐに空白期間をつくることはできない。彼の人気が急上昇し、あちこちでジェヒを必要とする人々が、そして彼に会うことを望むファンがたくさんいるからだ。
これから多くの変身に変身を重ねて、すべての人の心の中に「演技が上手な俳優ジェヒ」と記憶されたい。 |