クリミアの空軍基地爆発 戦況変える可能性も
(出典:2022年8月12日 Youtube@SankeiNews)
2014年に、ロシアが併合したクリミア半島にあるロシア軍の空軍基地が、8月9日に攻撃されました。また、17日にもロシア軍の弾薬庫が爆発したと報道されています。
近くの変電所も爆発し、近隣に住む約3000人が停電や断水などの影響を受けているようです。当然、クリミア半島の奪還を宣言したウクライナの攻撃であるのは明らかです。ウクライナは、南部ヘルソン州の奪還を目指し総攻撃すると宣言していました。
しかし、実際にはウクライナ軍の兵力は足りず、ロシア軍を押し返せすまでには至っていません。東部でも、ロシア軍は時間をかけながら少しずつ占領地域を広げています。ウクライナ戦争は、あらゆる面で消耗戦になっています。
レバノンの首都ベイルートで大規模爆発 死者70人超、2700人以上が負傷
(出典:2022年8月5日 Youtube@SankeiNews)
以前、中国・天津の工場やレバノン・ベイルートで起きた原因不明の大爆発を引き起こした宇宙兵器である可能性があります。通称「神の杖」と呼ばれていますが、この兵器を保有しているのはおそらくアメリカとイスラエルだけです。
ロシアも同様の宇宙兵器を保有していると思われますが、それよりも「戦略核兵器」を使用する可能性が高まっています。一方、兵力が圧倒的に不足しているウクライナ軍は全ての地域で有利に立つことができなくなりました。
実際に、ロシア海軍の旗艦船を沈没させたり、クリミア半島でロシア空軍の戦闘機を大破させていますが、戦争に勝つことはありません。ロシアでは、9月11日に地方議会選挙が実施される予定ですが、占領下にあるルガンスク州やドネツク州、サポリージャ州、そしてヘルソンでも国民投票を実施して結果次第でロシアが併合する可能性があります。
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナとNATOに停戦に向けた交渉を提案すると見られていますが、ウクライナとNATOが拒否したのを受けてウクライナの主権を剥奪し、ウクライナ戦争は継続させるものと考えられます。
そのような状況の中、エネルギーと食料のインフレ高騰で苦しむ欧米諸国は、国民がウクライナ戦争を終わらせるためにデモや暴動が起きるなど、政治的な対話が必要という声も次第に強くなってきます。
しかし、アメリカがロシアの占領地域の併合を認めることはできず、ロシアが併合した領土を返還するとは到底考えられません。ウクライナ戦争以前の状態に戻ることはできないので、交渉では落としどころが見つからないはずです。
ロシアの反プーチン勢力が犯行声明 極右思想家の娘爆殺
(出典:2022年8月23日 日本経済新聞)
実は、ウクライナ戦争後の目標をプーチンは明確には示しておらず、様々な憶測が西側メディアで指摘されています。そのような中で、プーチンの思想的なブレーンであるアレキサンドル・ドゥーギン博士の娘が暗殺されました。
ドゥーギン博士は、現代ロシアで最も影響力のある哲学者・思想家であり、「ネオ・ユーラシア主義」という新しい世界の提唱をしています。おそらく、ウクライナ戦争後の戦略をすでに提案していると思います。
ドゥーギンは、モスクワ大学政治学科の元教授でしたが、数年前に発言が問題となって辞職しています。それ以前では、2015年にシリア上空でロシアの爆撃機がトルコに撃墜される事件が起きた際、ロシアとトルコを和解させたのがドゥーギンだとされています。
当時、シリアを巡って利害が対立するロシアとトルコの間で戦争に発展する可能性もありましたが、トルコのエルドアン大統領が謝罪して、ロシアの損害に一定程度の保証をすることで決着しています。
撃墜事件の直後、ドゥーギンはすぐに首都アンカラでトルコ政府との協議を始め、トルコ政府はドゥーギンを通してプーチンに協議内容を確認していました。つまり、ドゥーギンはプーチン政権内で政治的な役割を担っているということです。
「プーチンの頭脳」その正体は ウクライナ侵攻の理論つくった?
(出典:2022年8月23日 朝日新聞)
西側メディアでは、ドゥーギンの娘ダリアが自動車ごと爆殺されたことを大々的に報道し、ドゥーギンがウクライナ戦争の戦略をプーチンに提案したと認識しています。今回、読者の中には初めて聞いた名前かもしれませんが、前回書いたコラムをリンクにしておきます。
欧州で起きている極右運動の思想にあるのは「新ユーラシア主義」 http://www.peters.jp/ba/future_direction/Idea-of-extreme-right-movement-occurring-in-Europe-is_Neo-Eurasianism_992.html
「多民族主義」でロシアは勢力拡大、「白人優越主義」でヨーロッパはイスラム排斥へ http://www.peters.jp/ba/future_direction/Russia-is-expanding-power-with_multi-ethnicism_993.html
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